一般社団法人 日本甲冑武具研究保存会

The Association for the Research and Preservation of Japanese Helmets and Armor

平成28年5月本部月例研究会のご報告.

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5月29日(日)午後3時から水稲荷マンションの参集室で「古明珍兜の持ち寄り鑑賞と意見交換」というテーマで本部月例研究会が行われ32人の参加がありました。講師の当会会長、永田仁志氏と会員が持参した明珍康家・明珍信家・明珍教家・勝家・勝正・勝吉在銘の兜と兜鉢、合計9頭が会場に展示されました。

講師から先学、山上八郎・笹間良彦・山岸素夫各氏の研究された明珍派の甲冑師について簡単な紹介がありました。次に今回のテーマである“古明珍”という名称について笹間良彦氏の説「古明珍は室町時代末期ごろから桃山時代頃まで、江戸時代の明珍と区別して呼ぶ」こと、『御随身三上記』『諸国買物調方記』等の文献からわかる明珍派の動きをお話しいただきました。

伝統的な甲冑の生産地として大和・山城が知られていますが、16世紀になると甲冑の生産が全国で行われたことがうかがわれる文献の解説がありました。

その後は、講師が持参した4頭の兜の説明があり、次に副会長松本国彦氏が持参した兜、他会員の持参した兜についても鉢の形状の特徴を分りやすくお話しいただきました。

講義終了後は、会場に展示された9頭の兜を各自、手に取ったり、写真を撮ったりし、残りの30分程は質問時間を設け天辺の座の有無、なぜ天文年紀の兜が多く伝来していること等質問や疑問が出されました。

古明珍兜

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