一般社団法人 日本甲冑武具研究保存会

The Association for the Research and Preservation of Japanese Helmets and Armor

令和元年10月本部月例研究会のご報告

「日本の鞍の基礎知識」

9月27日(日)の本部月例研究会は菅野茂雄氏(当会常務理事)が担当しました。講師が17背、会員が1背、合計18背の和鞍が展示されました。講師が準備したA4版の軍陣鞍・水干鞍を主にした資料と鞍の名所図(『図録日本の合戦武具辞典』笹間良彦著からの抜粋)を参考にパワーポイントも使用し解説していただきました。

初めに、和鞍の歴史のお話があり、日本独自の鞍として製作確認できる物は正倉院宝物殿にある4枚居木の鞍と、古墳(奈良県手向山神社蔵)から発掘された、大陸からの影響がある唐鞍があるとのことです。その後歴史を重ね大和鞍・軍陣鞍や水干鞍に変わっていったとのことです。

次に軍陣鞍と水干鞍の説明があり、軍陣鞍は検非違使等に従って治安の維持に当たった騎兵などが使用した鞍、水干鞍の名前の由来は平安時代の装束で水干衣装を着て乗った人の鞍が名前の由来とのことです。

軍陣鞍と水干鞍の違いとしては前輪の山高を基準として3対1が軍陣鞍、4対1が水干鞍、また軍陣鞍は、雉股の曲がりが強い、居木上面にある覆輪の巾が広い等々、いろいろな特徴があります。

鞍の名称(前輪の外形)としては、海有鞍・海無鞍・浅海鞍・深海鞍・布袋鞍・餓鬼腹鞍  錬り革鞍・鉄張鞍・木地鞍・移鞍等があります。

最後に四方手の役目のお話がありました。馬が坂を登ったり下ったりする際、鞍のずれるのを防ぐため前の四方手には胸懸、後の四方手には尻懸を付けるため四方手が必要とのことでした。

最後には色々な質問が出ましたが、菅野常務理事には丁寧にお答えいただきました。