甲冑武具審査規定および認定基準
(一社)日本甲冑武具研究保存会 甲冑武具審査規定および認定基準
審査対象品
平安時代~現代までの間に我が国で製作された甲冑および武具。ただし以下は審査対象とはしない。
〇上代の甲冑・武具
〇刀剣・刀剣外装・小道具等、日本刀剣保存協会で審査を行っているもの
〇銃砲類
〇現代製の甲冑・武具で著しく作域の劣るもの
〇外国製の甲冑・武具。ただしわが国で改変、改修されたものは審査対象とする。
時代区分
当会審査は時代区分を以下のとおりとする。
(下記はあくまで目安です。)
・平安時代
平家滅亡の1185年(寿永4年)~1190年(文治6年)頃まで
・鎌倉時代
…前期 1192年(建久3年)の鎌倉幕府樹立から1240年(延応2年)頃まで
…中期 1241年(仁治2年)頃から1290年(正応3年)頃まで
…後期 1291年(正応4年)頃から1333年(元弘3年)の鎌倉幕府滅亡まで
・南北朝時代
…1333年(元弘3年)から1392年(元中9年/明徳3年)の南北朝合一まで
・室町時代
…前期 1392年(元中9年/明徳3年)の南北朝合一から1455年(享徳3年)の享徳の乱の始まりまで
…中期 1455年(享徳3年)の享徳の乱の始まりから1500年(明応9年)頃まで
…後期 1500年(明応9年)頃から1555年(天文24年)頃まで
…末期 1555年(天文24年)頃から1573年(元亀4年)の室町幕府滅亡まで
・安土桃山時代
…1573年(天正元年)の室町幕府滅亡から1615年(慶長20年)の大坂夏の陣まで
・江戸時代
…初期 1615年(元和元年)の大阪夏の陣から1637年(寛永14年)の島原の乱まで
…前期 1637年(寛永14年)の島原の乱から1688年(貞享5年)頃まで
…中期 1688年(元禄元年)頃から1800年(寛政12年)頃まで
…後期 1800年(寛政12年)頃から1845年(天保15年)頃まで
…末期 1845年(弘化元年)頃から1868年(慶応4年)の江戸幕府消滅まで
審査認定基準
「重要文化資料」
兜
〇南北朝時代以前の兜・鉢で大きな改変のないもの
〇室町時代の覆輪付き兜・鉢で金物がほぼ健全なもの
〇安土桃山時代以前の在銘で作域の優れたもの
〇江戸期の兜でも製作年代、作者等が明らかで、作域の特に優れたもの
大鎧・腹巻・胴丸など
〇室町時代以前の製作で小札・威糸・金具廻が健全なもの
〇安土桃山時代の製作で金物を含む総体がほぼ健全なもの
〇江戸時代の製作であるが大名家伝来品、またはそれに準ずる復古調の一作揃ったもの
袖
〇室町時代以前の製作で小札・威糸がほぼ健全なもの
〇安土桃山時代以前の製作で、小札・威糸・金物がほぼ健全なもの
具足
〇安土桃山時代の製作で威糸・金物がほぼ健全かつ作域が優れたもの
〇江戸初期以前の製作で作域優れ、部品がある程度揃ったもの
〇大名家伝来品、またそれに準ずる作域の、一具揃いの健全なもの
小具足
〇安土桃山時代以前の製作で作域、保存状態ともに優れ、資料として貴重な面具
〇室町時代以前の製作で保存状態の良好な籠手・臑当・佩楯等の小具足
〇江戸時代の製作でも特に作域が優れ、製作年代、製作者等の明らかな歴史資料として貴重なもの
馬具
〇鞍・鐙揃いで作域の優れたもの
〇鞍・鐙単品でも室町時代以前の製作で作域の優れたもの
〇蒔絵・螺鈿等、加飾の特に優れた桃山時代の鞍
その他の武具
〇製作年代、製作者等が確実な歴史資料として重要、かつ作域が特に優れたもの
「甲種特別貴重資料」
〇「重要文化資料」に準ずる価値のあるもの
「特別貴重資料」
〇「甲種特別貴重資料」に準ずる価値のあるもの
「貴重資料」
〇「甲種特別貴重資料」に準ずる価値のあるもの
〇近・現代の製作でも特に作域の優れたもの
「保存資料」
〇以上のランクに達しない、江戸時代に製作されたもの
〇近・現代の製作でも作域の優れたもの