一般社団法人 日本甲冑武具研究保存会

The Association for the Research and Preservation of Japanese Helmets and Armor

平成28年2月度本部月例研究会のご報告.

2月28日(日)午後3時から水稲荷マンションの参集室で研究例会が行われ、会員以外の人も加え36人の参加がありました。
今回は奈良の甲冑師として知られている春田派の中でも、多様な兜を制作した「春田光定」に焦点を当てた内容でした。当会の松本国彦副会長からプロジェクターを使いながら、個人所有や各地の寺院・博物館等に現存する「春田光定」在銘の兜の紹介がありました。
その後、会員が持参した12間阿古陀形兜鉢・30間総覆輪兜・62間筋兜鉢・頭形兜・置手拭形兜・突盔形兜の他、春田在銘の兜鉢2頭を加え8頭を所有者から解説していただきました。
後半は、笹間良彦著『新甲冑師名鑑』の “光定”の項を参考資料として使いながら自由討論を行いました。
「室町時代末期から安土桃山時代までの中で、5代は光定がいたのでは?」「多様な形式の兜が生れたのは、注文主のさまざまな注文に応じた結果では?」「法隆寺西円堂に奉納された兜の保存状態が悪いのはなぜだろうか?」等さまざまな意見や疑問が出されました。
展示された8頭を間近に見ることで、改めて「春田光定」の多様性を各自が自分の目で確認することができ、大変有意義な研究会となりました。

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