近畿支部報告・兵庫県たつの市「脇坂家ゆかりの武具展」.
令和4年4月2日から5月22日まで兵庫県たつの市で開催された「脇坂家ゆかりの武具展」は、桜の開花から始まり、端午の節句でもあることから、多くの来館者が訪れ、甲冑の見どころが紹介されました。
龍野藩初代脇坂安治は、信州飯田から龍野へ入封して今年で350年となり、脇坂家伝来の童具足(縹糸威金茶糸胸取二枚胴童具足/加古川市指定文化財)も160年ぶりに初めての里帰りとなる展示でありました。
近畿支部では4月17日にたつの市立龍野歴史文化資料館で例会を行い、童具足及び館蔵の甲冑について、記録及び研究を行い、同館学芸員との親睦も図れました。
私は、賤ケ岳の戦いで七本槍として名高い脇坂安治公と共に武功を挙げた加古川城主糟谷武則公のレンタル甲冑を纏って、自ら所蔵する脇坂家伝来の童具足をわかりやすく解説いたしました。また、9歳の甲冑ファンの男の子が淡路島から甲冑服を纏い、刀を差して来館し、童具足同士で来館者を楽しませていました。さらに、男子中学生の甲冑ファンも参加していただき、この少年は、江戸時代初期の佩楯や脇引を所蔵しているほどの高い知識をお持ちでありました。若い甲冑ファンの仲間に出会えたことに感銘を受けております。
最近は女性の来館者も多く、鋭い質問も飛び交い、熱心な女性甲冑ファンが増えたことに手応えを感じております。今後も多くの方々に甲冑の魅力を伝える工夫が課題と思料するところです。(近畿支部 岡田平三)