3月本部月例研究会報告.
3月の月例研究会は、
以前に事務所がおかれた水稲荷神社社務所で
久々の暖かな春日和の中、
専門分野にわたる内容にもかかわらず
30名近くの盛会となりました。
平野元群馬県立歴史博物館副館長の
穏やかで解りやすい説明で
上州系兜鉢二例、新発見の「康重」、「成重」をご紹介いただきました。
説明は、今までのご研究の粋をお聞きするには余りに時間が無く残念でしたが、
お持ちいただいたプリントを基に小星の打ち方、全体的形状、各作者比較(銘振りも含め)、
細にわたり、このプリントは各自貴重な資料となりました。
特に大塚氏持参の「華重」と読める銘の「華」の字が「名甲図鑑」、
漢字崩し字の資料から明快に「業」の字であることを指摘されました。
また当会永田理事持参の「成重」在銘の太刀の銘振りから
鉢製作者同人銘であることに異論はなく、
むしろこれだけの鍛冶の腕がある作者が、
鉢だけを作るのは地方でもあり不自然では、
との考察がされました。
部屋を出るときの興奮冷めやらない
一同の表情が印象的でした。
実用と美を兼備した「上州系鉢」の研究はまだ始まって間がありません。
在銘の鉢は数えるほどで、皆さんのお手持ち、
見知り等で当該資料が有りましたらどうか当会までご一報ください。