4月本部月例研究会報告.
4月本部月例研究会は、会員の岩田順司氏が所蔵する
小浜酒井家臣高橋所用「金本小札両引合胴具足」に付帯する古文書について
実物を前に本人から詳しく紹介してもらいました。
この具足の仕立ては桃山時代に掛かろうかと古く、
高橋家の末裔、有無允が幕末の嘉永六年に(ペリー来航もあり)
軍装を整えるために京都の甲冑師長瀬籐兵衛に修理に出されました。
また稀有な事にその記録を含んだ文書が具足櫃に入っていました。
近いとはいえ、なぜ京都が修理地なのかは、
当時、酒井家が京都警備に就いていた事が豊田理事より指摘され首肯出来ました。
文書の修理明細には各部について金額の記載があり、
総額は25両近くに及びました。
また小浜酒井家では、番隊ごとに前立ての形態が
違うなどの発見もありました。
講師は、内容に関する研究書を探し出したり、
高橋家について実地調査をしたほか
酒井家の軍制、貨幣価値を博物館に問い合わせるなど
発表内容は詳細で遺漏なく、
出席の藤本最高顧問より、賞賛の言葉があったほどでした。
これからもこのように熱心な若い会員が
益々活躍していくことが期待できる例会でした。
尚、古文書内容は、板橋区立郷土博物館「当世具足」展図録
巻末資料41,42に全文が載っています。