12月本部月例研究会のご報告.
今年最後の研究例会は、以前に当会の事務所を置いていた水稲荷神社社務所において12月14日、厳しい寒さにもかかわらず多数の参加を得て開催されました。
テーマは、今年惜しくも他界された日本古馬具の研究家でもある、故藤本鞍斎最高顧問にちなんで『近代歴史画と箙の美を知った人々』として、
武蔵御嶽神社古文書学術調査団委員の斉藤慎一氏にお話しいただきました。
講師は研究歴が長く、戦後、甲冑武具研究当初の中世甲冑が重点的に研究されていた頃をよく知る方です。
研究会では、「箙」の構成、用法はもちろん、小堀鞆音を始めとした日本歴史画の有名作家が描いた構図の中に示される、
「箙」を中心とした時代の考証点を示し、各作家がその絵の中に秘めた解釈を解説されました。
その目の当たりにする中世の一場面に、参加者は言葉もなく傾聴するばかりでした。
その中で、「箙」は複数の矢を運ぶ単なる器具として意外と粗末な扱いを受けることもあるのになんと優れた形を持つのかを強調され、
故藤本氏が手に入れた「箙」を前にその喜びを共にした思い出を語られました。
どうか会員でない方は、この感動を会員となってご体験ください。
来年3月まで残り少ないですが今年度中に入会すると、入会金無料、会費半額です。
最後に今年の会員各位のご協力に深く感謝申し上げます。明年の皆様のご多幸を祈念して今年の研究例会を終了します。