2月本部月例研究会のご報告.
2月の研究例会は会の行事が多い日程にもかかわらず、事務所がいっぱいになるほどの参加者を得て「籠手の持ち寄り研究会」というテーマで、21日に開かれました。
当日は、あまりに部分的なので課題として興味ある内容となるか、いささか不安もありましたが、20点以上の籠手が持ち寄られ、議論も弾みました。籠手の展示を見渡すと、腕の防護としての機能を重視して軽く作ったものと、重くても武家の表道具である具足を構成する重要部分として、非常に手間のかかる縮緬鎖、重厚な金物等を使用するものとに大別できることが分ります。これは実戦時代と江戸時代に入ったものとを区別する要点とも言えます。
所蔵者が個別に紹介するに従い、冠板の形状、手甲の形式、取り付け鎖の形、指通しの綰等、その時代的特徴の例示に気付かなかった蓋然性に皆、首肯することしきりでした。一部の異論も含め新知見の多い研究会となりました。