一般社団法人 日本甲冑武具研究保存会

The Association for the Research and Preservation of Japanese Helmets and Armor

平成27年11月度本部月例研究会のご報告.

11月本部研究例会のご報告
平成27年11月29日(日)東京都新宿区水稲荷神社の社務所で「南北朝の甲冑」をテーマに、当会副会長の西岡文夫氏に講師を担当していただきました。最近は当世具足に関したテーマが続いていましたので中世の甲冑をテーマにしたのは久しぶりでした。
当会の会員2人がそれぞれ所蔵している南北朝時代の大鎧の草摺3間と大鎧の笄金物・八双金物等の一組を持ってきていただき会場に展示しました。講師の西岡氏からは南北朝時代の大鎧・胴丸・腹巻の特徴や所蔵施設等を明記したレジメと『明徳記』の一部のコピーが用意され、41人の参加がありました。
南北朝時代の大鎧は草摺の裾板左右に矯めがあり、札板の小札頭が少し厚くなり時代が下るにしたがって厚みを増す、従来「描き菱」は南北朝時代の特徴といわれてきたが室町時代後期にも遺例がある、南北朝時代は多くの場合、上級武士は胴丸を着用していない、腹巻は室町時代後期から兜・袖を伴う等、南北朝時代の甲冑の特徴をわかりやすく解説いただきました。
同時代の金物についてはお持ちいただいた当会専務理事の竹村雅夫氏からも金物について解説がされ、草摺と金物の見学時間には写真を撮ったり、注意深く草摺の裏を観察する光景が見られました。

写真に触れると拡大されます

テキストのコピーはできません。